1−1.クハ183 200番台・600番台 ・クロハ183 800番台

スカートの左右に点検用開口部があり本来蓋の開閉が出来る構造ですが、一部の車両で蓋を撤去した車両が存在します。
蓋を撤去した際に、蓋の付け根の蝶番取付ネジを残したのと、撤去し穴を塞いだ2種類があります。ただ、蓋を留めておくフックは全車残存。
@:原形 A:蓋撤去・ネジ残存 B:Aの反対側 Cネジ撤去・穴を塞ぎフラット 該当編成は以下の表を参照。
 1986(S61)年から配置されているクロハ183は全車蓋を撤去済み。クハ183−201も元は福知山でクロハ481として
在籍していたので蓋撤去の関連は考えられそう。クロハ183−801の1位側のみネジ穴を塞いだのは踏切事故の関係か。
 
A編成・クハ183−200番台の開口部形状の違い。(全て真横からの画像でないので傾斜の判断に難があります。 )
 
見比べていると製造所で特徴が違うように感じ、並べて比較。

日立製:開口部の狭い方は垂直に近いが蓋にはやや傾斜がある(留め金が斜め)
川重製:切り欠き部分、縦の傾斜が大きく横の切り込みが側面に入り込む。切り欠きの縦横の接点が鋭角。開口部の狭い方は穴・蓋共に斜め。
日車製:開口部曲線部分は 川重製と似ているが切り欠き部分の傾斜が小さく間が広い。開口部の狭い方は穴は斜めで蓋と留め金は垂直に近い。
蓋が残っているA46の形状が左右で異なり(左は弧を描きながらすぼみがあるのに対し、右は直線的になっている)どちらがオリジナルかは不明。
東急製:切り欠き部分と開口部の曲線がほぼ平行。開口部の狭い方は穴・蓋・留め金共に垂直に近い。

601は元クハ489で切り欠き部分が連結器側に寄っているので開口部との間隔が元クハ481と比べ明らかに広い。
 
次にB編成・クロハ183−800番台の開口部形状。200番台同様製造所で違いがあるがB41の801は当てはまらず、変形スカートとの
関連で形状が違うと考えるのが妥当??

東急製:B41
日立製:B63・B64
日車製:B62・B65・B66
1−2.クハ183 700番台・クロ183 2700番台・クロハ183 700番台
 蓋残存と撤去車が存在。片側撤去は存在せず。
こちらも福知山電車区開設当初から配置されている車両のみ蓋撤去を行っている。そのうちB65はネジ穴を塞いでおり
編成を組むクロハ183−805と同じ内容なので同時期に塞がれた可能性有り。転入組は全く撤去さておらず、
組み換えでB編成に入った車両もクロハ183の撤去と同調はせず撤去されないまま終焉を迎えた。
 
点検蓋撤去車の形状の違い。曲線部分に違いが見られる。 
次に点検蓋残存のクハ183 700番台。蓋自体にも形状の違いがあり特徴が分かれる。 
 次にクロ183 2700番台。クハ183 700同様の内容。
200番台同様製造所で違いがある。 ただ、例外もあり次のように当てはまらなかったものもありました。
川重製706・712・2703の蓋が東急タイプに。日立製の2704の蓋が東急タイプになっていた。
1−3.先頭車改造車(元クハ481 750・800・850番台)
やはり 福知山電車区開設当初から配置とあって蓋は全車撤去済み。751は早期廃車でネジの状況は不明(恐らく残存と推測)
 
同じ先頭車改造車であってもクハ183−801・851とクハ183−752では点検用の開口部の形状が違う。 
クハ183−752はクロハ183−701と形状が似ている。

2−1.クハ183 200番台・600番台

スカートへ装着されている スノウープラウが撤去された車両が存在。
画像右が撤去されたタイプ。台車取付の1枚のみ。画像左がスカートに装着された標準タイプ。
画像右では自動解結装置取付でスカート連結器付近とスカート取付のスノウープラウも分断された形状に改造されたのが見える。

撤去車:クハ183−203(A42)・204(A45)・206(A41・)601(A43)の4両。スカート分断に際し撤去?
 
 左:自動解結装置取付で、スカート・スノウープラウが分断された様子。 右:原形
クハ183−205(A47)とクロハ183−805(B65)の連結器左側に小穴が存在。他車では見当たらない。
また、この両車はジャンパ栓受けが正面向かって右側が3個になっている共通点もある。
左は片栓の元クハ489 600番台でジャンパ栓受けは1個なのに、2個並ぶ200番台より切り欠きが大きく中央側に寄っている。
こちらは変形スカートで有名なクロハ183−801。切り欠きが左右とも幅が広い。
2−2.クハ183 700番台・クロ183 2700番台・クロハ183 700番台 
  クロハ183−701(元クハ481−354)のみスカートのネジが目立つ。
 
画像上段がクロハ183−701。下段が一般的な元クハ481 300からの改造車。
 
側面にもネジが並ぶ。右は標準的形態。このネジの多さ、どうやら1971年落成最終ロットの345〜354(全車、日立製)が該当する模様。 
このネジが目立つ形態、他の形式区分でも見られました。次の項目で扱います。
2−3.先頭車改造車(元クハ481 750・800・850番台)  
クロハ183−701と同形態なのは先頭車改造のクハ183グループです。 
 
上段がクハ183−752。下段が再掲ですがクロハ183−701。 
 
簡易貫通の800番台・850番台も同様です。 
 
側面も先頭車改造車とクロハ183−701は同じようにネジが並ぶ。

2−4.クモハ183 200番台(元クモハ485 200番台) 

JRになってから誕生した区分番台で、しかも総数7両の小所帯ではあるが違いがあった。 
7両のうち6両が183系となり福知山へとやって来た。
 
 赤矢印で示す曲線部分に違いがあった。画像左の方が曲線部分が緩く。画像右側では直角に近い処理となっている。
 
調べた結果、各タイプ半々の3両であった。関連性を探ったが改造区所では一致せず謎が残る。 
画像上段改造区所:(右から順に)松任・松任・吹田
画像下段改造区所:(   〃   )吹田・吹田・吹田

注:改造所はモハ485からクモハ485への改造を指す。